『水曜日の手紙』森沢明夫*自分の小さな毎日が誰かの人生を変える

本のはなし

こんにちは、たれみみです(^^)/

今日はこちらの本を紹介します。

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『水曜日の手紙』森沢明夫*自分の小さな毎日が誰かの人生を変える

作品情報

著者:森沢 明夫

出版社:KADOKAWA

発売日:2021年10月21日(単行本は2018年12月7日)

本の長さ:304ページ

あらすじ

「あなたの水曜日を送ると、だれかの水曜日が届きます」—主婦の直美は愚痴の絶えない生活を変えたいと、子どもの頃描いた理想の自分になりきって、手紙を出す。一方、絵本作家の夢を諦めた会社員の洋輝は、嘘偽りのない本音を綴り、手紙を出す。水曜日郵便局を通じて2人の手紙が交差することで、それぞれの人生が少しずつ変化していく。東北に実在した水曜日郵便局をモチーフにした優しい物語。

不満が止まらない日々

印象に残ってるのは、主婦の直美が学生時代の友人とカフェでお茶するシーンです。

玉の輿に乗り、手作りアクセサリー店を経営しながら、ハンサムな旦那さん&犬と優雅に暮らしている友人。

対して自分は鈍感な夫、親離れしつつある息子、いじわるな義母への不満でいっぱいな日々。

表面上は友人の話に合わせるけれど、心の中ではきらびやかな生活を送る友人に毒づいて止まらない。

すっごいリアルです(笑)

女性が友人関係を維持するのって年々難しくなるなと感じます。

学生時代はドラマや恋愛の話等、大したことない話でもなんとなく盛り上がっていたはずなのに、アラサー以降になると、既婚・未婚・子あり・子なし・働く・働かない等、環境の違いによる会話の合わなさや価値観のズレが顕著になる。

傍から見えるのって表面だけですから。

どうしても他人の生活ってきらびやかに映ってしまう。

そしてなんだか、何を話されても自慢されているようにすら感じてしまう。

比較して自信をなくしたり、妬んだりと、もう、大変。

森沢さんは男性なのに、なんでこの女の友人関係のネチネチがわかるのでしょうか(笑)

森沢ワールド全開

そんなネチネチが描かれつつ、もちろんそれだけで終わりません。

森沢さんは、おそらく私がここ1年間で一番多く読んだ作家さんです。

特有の人間愛と心あたたまる雰囲気が大好きで、気づけばいつも手に取ってしまうんですよね。

本作ももれなく、ほっこりする森沢ワールド全開。

愚痴をこぼしていた人、夢をあきらめていた人が、知らない誰かからの手紙を追い風にして、前へ進んでいく。

一歩進みかけたときの登場人物の言葉が心に刺さります。

この人と――、イチから出直す。

人生の方向転換をする。リスキーな道を歩き出す。

あるいは、そんな格好いいことを言いつつも、やっぱり怖くなって、今まで通りに生きていく。

なんだか、どれでもいいや、とわたしは思った。

きっと、どれを選んでも正解なのだ。

大切なのは、どの道を選ぶかよりも、むしろ選んだ道を自分たちがどう感じ、どう生きるか――、それと、誰と一緒にその道を歩むのか、だと思えたから。

すごく共感しました。

こんな風に思えたら、どんな生き方を選んでも、後悔せず、人生を楽しめそうです。

今日はどんな言葉を口にする?

SNSに触れていると、頻繁にマイナスな言葉を見かけます。

本作の直美が毎日愚痴を日記に綴って浄化していたのと同じような感覚なのかな、と想像します。

言葉にすると、スッキリしますもんね。

でも、日記と違うのは、それを目にする人が自分だけではないということ。

全世界にその言葉が発信される。

その言葉を通じて人と人はつながる。

仲間にもなれば、分断も生む。

どうせ人とつながるなら、優しい言葉でつながっていたいなと、私は思います。

どんな言葉を扱うかって、その人柄だけでなく、生き方まで写されてしまうと思うから。

綺麗な言葉ばかりで毎日を埋め尽くすのは難しいかもしれないけれど・・・・

ネガティブな自分だからこそ、できるだけポジティブに変換した言葉を発したい。

その方が、自分の心も穏やかですし。

もしかしたら本作のように、その言葉に触れた誰かの人生を変えることにもなるかもしれない。

・・・・いや、そんな影響力はないか(^_^;)

でも、自分の小さな毎日の積み重ねが、見知らぬ誰かの心に響くかもしれない。

そんなあたたかな世界を見せてくれる本作。

ぜひお読みください(^^♪

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