『女に生まれてモヤってる!』ジェーン・スー/中野信子*「女らしさ」に縛られた人生ゲームのバグ報告書

DINKsのはなし

こんにちは、たれみみです(^^)/

今日はこちらの本を紹介します。

楽天ブックス
¥1,430 (2023/10/14 06:58時点 | 楽天市場調べ)

『女に生まれてモヤってる!』ジェーン・スー 中野信子*「女らしさ」に縛られた人生ゲームのバグ報告書

作品情報

著者:ジェーン・スー/中野 信子

出版社:小学館

発売日:2019年6月27日

本の長さ:252ページ

あらすじ

生き方が多様化した現代においても、無意識下の「女らしさ」「女の幸せ」に縛られる女性たち。「設定された女をやり続けるのに困難を感じたことがある」と話すコラムニストのジェーン・スーと脳科学者の中野信子。二人がプレイしてきた人生ゲームのバグ(プログラムのせいで、どう頑張っても上手くいかないようにできている)を思いつくままに挙げ、これからの女性の生き方を対談形式で語り合います。

なぜ女は自信を持ちにくいのか?

スーさんと中野さんの書籍を読むのは本書が初めて。

二人の軽快なテンポで繰り広げられる対談はとても読みやすかったです。

そして、自分が感じている息苦しさを二人が代弁してくれているようで、とても爽快な気持ちになります。

「なぜ女は自信の持ちにくいのか」について言及している部分がこちら。

なぜ多くの女性が自分に自信を持てないのかを考えると、「自信満々じゃないほうが女らしくてかわいい」と刷り込まれてきたのも一つの理由だと思う。自信がなくておどおどしている女性のほうが、「かわいげがある」「謙虚で控えめ」と褒められて、高得点がつけられてきた。そういう意味では本人のせいだけではない。じゃあ誰のせいかっていうと、「社会」とか「世間」とか、個別の顔が見えない存在なんだけど。(スー)

集団の上に立つこと、メインを張ることが男らしさと言われるよね。誰かのサポートに回ることではない。つまり、男らしさ=支配、女らしさ=被支配の構図が無意識的にある。(スー)

社会規範としての女らしさ、つまり「控えめ」「よく気がつく」なんて要素を備えるのが理想的だと思っちゃうと、いい娘、いい妻、いい母親であろうとして周囲の期待に無理して応え続けることになる。それを「あるべき本当の自分」と規定してしまうと苦しいよね。(スー)

女らしさの社会規範に従い続けていくと、誰かにとってのベストサポーターにはなれるかもしれないけど、自分は何がしたいか、どう生きたいかを自由に考えて決めることが難しくなることがあるよね。自分のことなのに裁量できなくなっちゃう。少なくとも日本はそうじゃないかな。(スー)

何か目標を達成したり成功したりしても、「私の実力ではなく、運がよかっただけ」と思い込んでしまうことを「インポスター症候群」というのですが、インポスター症候群は女性がすごく多いんです。男性よりも、女性の方がこの心理を持ちやすい。本当は実力があるのに、「私なんて実力がないのにいいのかな」と罪悪感に苛まれてしまうのは圧倒的に女性の方だ、という。アメリカの研究によると、男性よりも女性やマイノリティ属性を持つ人の方がインポスター(Impostor:詐欺師、偽物)感情が出やすいというデータがあります。(中野)

私は「自信が持てない」「自分のやりたいことがわからない」と悩むことが多くあります。

そしてそれは、自分の性格や能力によるものだと思ってきました。

ですが、スーさんたちの言葉によって「もしかして、社会からそういうメッセージを受けて育ってきた要因もあるのかも」と思えると、少しだけ楽になりました。

「女子力アップ」「女子力を磨く」なんて言葉もティーンのころからよく聞いてきました。

「女子力が高い」=「気遣いができる」「品がある」イメージ。

「控えめな方がかわいい」なんて戦略的に考えているわけではありませんが、あまり自己主張が強すぎるとかわいげがないと思って無意識的に行動している部分もある気がします。

「自信を持ちたい。でもあまりに自信過剰になるのは恥ずかしい」そう思っている節もあります。

あとは「パートナーや家族に対してサポーティブな立場でありたい」という願望も強いです。

「自分が主役にならず、支える立場でありたい」という思い。

「大切な人に対して、いかに献身的になれるか」というのが価値の一つ。

私の家庭は母が専業主婦だったので「夫を支える」「家族を支える」という生き方が「女性の模範的な生き方」として私の心に根付いていたところもあるのかもしれません。

いわゆる「内助の功」に尊敬と理想を抱いてきました。

でも実際に結婚してみると、全然上手くいかないんですよね。

ズボラすぎて(笑)

夫にとってのベストサポーターを「あるべき自分」として目指し続けると、それができない自分が苦しい。

そして「本当の自分が望むこと」がどんどんわからなくなっていく・・・。

37歳でようやく「女らしさ」から降りられた

二人は、個性や実力が身近な人からないがしろにされる経験をお持ちです。

それは「女に生まれた」ということによって生じていると。

自分に自信が持てるようになったのは、二人とも「37歳ごろから」だと言います。

どう考えても年齢的に「女らしさ」を求められているうちは、女って自信が持てないようになってるんですよ。それに女らしさの呪縛って若さともいくぶん親和性があったりするから、もう完全にその状態で自信を持つなんて無理ゲーなんですよ。あ、このゲームの設定がそもそも無理なんだって気づけたのは、私も37か38歳だったな。(スー)

そのあたりの年齢って子どもを産まない人生みたいなことに信憑性が出てきた時期だと思うんですよ。そろそろ物理的に難しそうだな、ってところでようやく規定の女らしさから降りることができた。(スー)

それまではやっぱり自罰的な気持ちがあったんです。自分らしさを突き詰めるほどに、世間一般でいう女らしさから乖離していくから。誰かのために生きられない自分にすごく罪悪感をもっていた。(中野)

今でも第一線で活躍する非常に優秀な女性の研究者について、ある男性教授と話していたら、「彼女は仕事は頑張っているけれど、子どもを産んでいるのかな」って突然言ってきたのね。~子どもを産む、産まないことと、仕事の業績ってまったく関係ない話なのに、この人の論理構造どうなってるの?と驚いた。(中野)

私はわりと幼い頃から「母」という存在に憧れを抱いてきました。

一番身近な自分の母が魅力的で尊敬できる人だったからだと思います。

「自分のことより真っ先に子どものことを優先して生きる母ってエライ!」

「子どもを産み育てること=女の最大の幸せ」(それだけが幸せでないことは、今は理解しています)

そんな思いがずーっとあったので、DINKsを選択している今でも、時にモヤることがあります。

「自分の役割を果たせているのだろうか?」

「自分の幸せだけを優先する人生を送っていいのだろうか?」

今でもふとした瞬間にぐるぐる考えては、モヤを追い払う・・・という繰り返し。

「自分の役割=女としての役割=子どもを産み育てること」

その無意識下の概念は、なかなか取っ払うことが難しいです。

お話に出てきた男性教授のようにあからさまな発言をする人は減ってきている印象ですが、それでも「女性は子どもを産み育てながら社会でも活躍してほしい」という社会的なメッセージはあらゆる場面で受け取ります。

年を重ねることで(「女」を求められる年齢でなくなることで)、このモヤから解放される日が来るのだとしたら、希望になりますね。

とても、待ち遠しい。

誰かに「私にふさわしい相手」として選ばれなくてもいい

私が励まされ、心が軽くなったスーさんのコラムの一部を引用します。

ジャストフィットな生き方を探そうとすると、無意識に自分を小さくまとめようとする人がいます。それはちょっと危険です。自ら大きな箱に入っていくようなことは、しなくていいのだから。思い込みを取っ払って、大胆に自分のサイズを把握してから、余分な部分をそぎ落としてもいいんです。小さくてきれいな箱に収まって、誰かに選ばれるのを待たなくていいんです。私には価値があると、誰かに証明し続けなくていいんです。意味のない我慢を、自分に強いなくてもいいんです。

自分の欲望をなめるな。普段はひた隠しにしても、その炎が消えることはありません。隠せば隠すほど胸の奥でくすぶり、自由闊達に生きる人を恨めしく思い続ける燃料になってしまう。それはあまりにも悲しい。

まったくもって無責任なことを言いますが、欲望を口に出してみてはいかがでしょう。紙に書き出してみるのもいいかもしれません。すべてから自由になれたら、何がしたい?来年から2年間だけ違う場所で生活するとしたら、どこに住みたい?年齢や容姿に囚われなければ、どんな服が着てみたい?

そんなことをしたって虚しくなるだけ?本当にそうでしょうか。小さな箱に自分を押し込めているのは、自分自身だってこともある。もっとふてぶてしくなってください。欲望を口にして、いつも尽くしている相手を困らせてみてください。一蹴されてもめげずに、だからどうしたと開き直ってみてください。大事なことなのでもう一度言いますが、誰かに「私にふさわしい相手」として選ばれなくてもいいんです。

夢を口にしたって叶うとは限りません。でも黙っていなくてもいい。

若い頃、私は誰かにそう言ってほしかった。でも誰も言ってくれなかったから、今自分で言いました。(スー)

誰かに選ばれるのを待たなくていい。

私には価値があると、誰かに証明し続けなくていい。

意味のない我慢を、自分に強いなくてもいい・・・

これを読んで私は今、小さな箱に自分を押し込めているなと思いました。

自分で自分を押し込めて、勝手に苦しんでいる。

もう少し、素直に生きたい。

きっと同じような状況の女性がたくさんいるのではないでしょうか。

二人の爽快な対談を読めば、きっと心が軽くなるはず。

自分なりに精一杯頑張っているはずなのに、なんだか生きづらい・・・

そんなあなたにおすすめの一冊です(*^^*)

ぜひ男女問わずお手に取ってみてください。

にほんブログ村

コメント

タイトルとURLをコピーしました